列お湯物語

◆福島県-母畑温泉
昔、八幡太郎義家(源義家)が、奥州征伐にやってきました。
前9年の役の戦いの最中に、義家が大事にしていた愛馬が脚部に傷を負ってしまいました。
これ以上つき進むことも、退くこともままならず、義家は敵を避けながら母畑の谷間をさまよいました。義家は蹄に荒らされた岩間より、清水が湧きいで泉ができているのを発見しました。
そして、義家は自分の愛馬の為に、泉より水をすくい取り、愛馬の傷口を丁寧に洗ってやりました。
数日の間、義家はその泉のほとりで愛馬の傷の手当てをしてやったところ、愛馬の傷はみるみる回復していきました。義家は不思議に思い、自分の士卒にその泉の水を汲ませて調べさせたところ、泉は霊泉であることがわかりました。
その後、奥州の乱を平定した義家一行は、都に帰る途中で再びこの地に立ち寄りました。
霊泉の際の丘の上に臣の石川有光を残して、義家の母衣(ホロ)と旗とを奉献させ、「馬脚の傷口数日にして癒しは奇の至りなり。確かに我に味方する山神の霊ならん」として山神を祭りました。
これが現在の元湯神社で、境内には義家手植えの松といわれる老松が茂っているそうです。義家が奉納した母衣と旗が地名の由来で、始めは「母衣旗」と呼ばれていたが、いつのころからか母畑に変わったということです。
泉質:アルカリ性単純泉・ラジウム含有泉
温度:19度
効能:神経痛、リューマチ、打身、火傷、切傷
母畑温泉は、磐城石川駅の側を流れる北須川のほとりに湧くいで湯の温泉地です。
周囲には無数の埋蔵文化財が眠り、様々な時代の遺跡や史跡があちらこちらに点在しています。
四季を通じて旅情を味わえる素朴な温泉です。豊かな自然を満喫しながら温泉に浸かった後は、ゆっくりと歴史の散策にでかけるのもよいのではないでしょうか。
春は桜、夏はスポーツにアウトドア、秋は美しい紅葉、冬はワカサギ釣など、いつ訪れても楽しめる温泉です。
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