列お湯物語

◆群馬県-老神温泉
遠い昔、赤城山にある赤城神社の神様と日光の男体山の神様とが、お互いの領地のことで争いをおこしました。
神様達は、何度も何度も話し合いをしましたが、なかなか決着がつきません。
とうとう二人は武力で決めることにしました。二人の神様は、お互いたくさんの兵馬をくりだして、戦場ケ原で激しい合戦をくりひろげました。
合戦は最初、赤城の神様の方が優勢であったのに、そのうちどんどんと男体山の神様が盛り返してしまいました。形勢不利とみた赤城山の神様は、これはいかんと一時陣を引き、現在の老神のところまで撤退しました。
激しい戦いで、赤城山の神様は傷を負い、すっかり疲労困憊してしまいました。
ようやっとのこと立ち上がり、地面に弓をたてると、不思議なことにその場所から熱い湯がこんこんと湧きだしてきました。
これはいいタイミングだと、赤城山の神様はそのお湯で傷の手当てをし、すっかり傷を治してしまいました。そして陣を立て直すと、再び攻撃を開始しました。
しかし、波にのった男体山の神様の勢いは、留まることを知らず、赤城山の神様はまたもや苦戦を強いられることになりました。
それでも赤城山の神様は、必至の攻防を続けながら、なんとか地形をうまく利用して、とうとう男体山の神様に再起不能に近い打撃を与えました。そして深手を追った男体山の神様は、すっかり観念して命からがら逃げ帰っていきました。
その後、この「赤城山の神様が、男体山の神を追い返した」ということから、「追い神」と呼ばれるようになり、更に「老神」と言われるようになったということです。ちなみに赤城山の神様とは「蛇」で、男体山の神様とは「むかで」だということです。
泉質:酸性硫化水素泉
温度:42〜45度
効能:皮膚病、吹出物、水虫、痔疾、神経痛、リューマチ、胃腸病
老神温泉郷は東に日光連山、西に谷川岳、南に赤城山、北には武尊山と四方を山々に囲まれ、その山あいを流れる片品川の渓流沿いに位置する、湯量豊富ないで湯の里です。
四季を通じて様々なお祭りやイベントがあり、いつ来ても楽しむことができます。
中でも有名なのが毎年5月7〜8日に行われる「へび祭り」。
赤城の神様(へび)にもとづき御神体の”大蛇”を粋な芸妓衆がかついでねり歩く神事です。
また、5〜11月にかけて行われる名物朝市には、多種多彩な品が所せましと並び温泉客で連日賑わいをみせます。
観光地としては吹割りの滝、赤城山、迦葉山・弥勒寺、薗原湖等があります。
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