列お湯物語

◆福島県-いわき湯本温泉
今から1200年程まえのことです。近江の国より、岩那・磯那という二人の若者がここ佐波古の里を訪れました。二人が道を歩いていると、一羽の鶴が近くの山に降り立つのが見えました。
ふと興味を覚えた岩那と磯那は、鶴が降り立った場所に近付いて、そっと様子をうかがってみました。
鶴は、蝦夷の放った流れ矢によって傷を受けて、湯気の立ち上る泉で傷を癒していました。その様子を見てかわいそうに思った二人は、傷ついた傷口をそっと洗って、鶴を手厚く看病してやりました。やがて鶴は元気になり、空へと飛び立っていきました。
それから何日かたったあるひのこと、岩那・磯那のもとにたいそう美しく高貴な若い女性が訪ねてきました。その美しい女性は、何も言わずにだまって稲と粟と一巻の巻物を二人に差し出すと、またどこへともなく帰っていきました。二人はその高貴な女性に全く見覚えはなく、不思議に思いながら巻物を開いてみました。
巻物には、"この佐波古の温泉は、神のお造りになられた御湯である。汝等は、二人でこの地を拓し、この地の民の暮らしを支えるべし"という神勅が記されていました。
岩那と磯那の二人は、さっそく小さな草屋を造り、女が置いていった稲と粟の二殻を大事に耕作し、子々孫々にわたってこの温泉を開いていきました。
このいわき湯元温泉は、古くから日本三大名湯の一つに数えられ、現在では年間35万人もの観光客を向かえる温泉郷として賑わっています。
泉質:硫黄泉
温度:59.8度
効能:慢性皮膚病、慢性婦人病、切り傷、糖尿病、動脈硬化症
観光都市いわきの中心地にあるいわき湯本温泉は、JR常磐線唯一の温泉郷です。
古くから日本三大名湯として数えられており、平安時代には那須、有馬、玉造温泉とともに、当時の代表的な温泉場として知られていました。
海や山などの豊かな自然に恵まれ、歴史を物語る数々の史跡に満ちています。
現在では、年間35万人もの観光客を迎える温泉郷として賑わいをみせています。
また、世界でも珍しい競争馬のための温泉もあり、名馬たちが温泉治療に訪れます。
自然を満喫するもよし、史跡めぐりで太古のロマンに触れるもよし、様々な楽しみ方で、いわき湯本を堪能してみてはいかがでしょうか。
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