列お湯物語

◆福島県-土湯温泉
物語は、今から一千数百年前にさかのぼります。時に用明二年(587年)。
聖徳太子は、病に倒れてしまった父である、用明天皇の病気回復祈願と仏教布教の活動の目的ために、奏野川勝という人物を東国に使わしました。
しかし、聖徳太子の命をうけて旅立った川勝もまた、旅の途中で大病におかされ、半身不随の身となってしまいました。
川勝はなんとか病を治そうと、数々の医者に診てもらいましたが、一向によくなる気配はありません。更には沢山の薬も飲んでみましたが、全く効き目がありません。そんなある夜、川勝の夢枕に聖徳太子が現れました。夢の中で、聖徳太子は川勝に「岩代国の突き湯に霊湯がある。そこで湯治をせよ」と説きました。
聖徳太子の夢のお告げに従い、湯を見つけた川勝は、突き湯の霊泉でしばらく湯治をおこないました。
すると不思議なことに、川勝の病はみるみるうちに治っていき、気がつくとすっかり具合がよくなっていました。
この時「突き湯」と言われていたものが、後に「土湯」と呼ばれるようになったのです。
泉質:単純泉、重曹泉、硫黄泉、硫化塩素泉、鉄泉、食塩芒硝泉等10種類以上
温度:50〜80度
効能:皮膚病、婦人病、糖尿病、リューマチ、やけど、神経痛、慢性消化器病、創傷、貧血、動脈硬化
雄大な景色の中、ひときわ空高くそびえる吾妻山と安達太良山。
この山あいから流れる、荒川の溪谷にある土湯は、山霧に包まれた温泉情緒にあふれたいで湯の里です。
土湯は、東北地方に点在するこけしの産地としても有名で、こけしづくりの始まりは約300年ほど前といわれています。
四月中旬には、土湯温泉の主護神薬師瑠璃光如来と、惟喬法親王を祭る、土湯こけし祭りがひらかれます。
観光名所も様々で、土湯近くの仁田沼では、春になると水芭蕉の白い花が咲き競い、幻想的な景色になります。
その他男沼、女沼、奧土湯溪谷など、自然にふれる場所がたくさんあります。
史跡としては、聖徳太子にまつわる聖徳太子堂や薬子こけし堂など、土湯ならではのものがあります。
温泉に浸かりにきたついでに、大自然の空気をおもいきり満喫するのもよいでしょう。
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