むかしむかしのことです。人が寄り付かない山奥の岩山に、一匹の鬼が住んでいました。鬼の名前は、関の太郎といいました。太郎は女や子供をさらったり、東山道の旅人達を襲ったりと、わるさばかりしておりました。付近の人々は、大変困り果ててしまいましたが、相手が相手だけにどうすることもできません。
そんな折、村では薬師さまのお祭りの日が近づいていました。去年の祭の時、太郎は人間に化けてでてきたので、今年の祭もきっと現れるに違いないと村人達は話し合いました。今年こそはみんなで力を合わせ、鬼の太郎を退治しようということになりました。しかし、村人の姿に化けられたら、太郎を見分けることができません。夜遅くまで思案を重ね、結局村人全員が手のひらに墨をつけるということになりました。墨がついていないものが太郎というわけです。
お祭りの当日、案の定太郎はすぐ見つかりました。村人達はそしらぬ顔をして太郎にどんどん酒をふるまうと、太郎は上機嫌で酒を飲み干していきました。いつしか太郎は酔っ払い、気持ち良さそうに寝入ってしまいました。村人達は今だとばかり大ノコギリを手にすると、太郎の首を切り落としてしまいました。そのとたん太郎の首は元の鬼の首に戻りました。
その後、"鬼の首はめずらしいので都に運ぶことにしよう"ということになりました。ところが、村人達が村の外れまで首を運んできたところ、急に大ヒツがずしりと重くなり、びくともしなくなりました。村人達はおそるおそるヒツのフタを開けてみると、太郎の首が大目玉をむき、恐ろしい形相で睨み付けています。おそろしくなった村人達は、首を都まで運ぶのをあきらめ、近くの道端に穴を掘って埋めてしまいました。
この退治された鬼の太郎が住んでいた岩穴が、現在の「鬼岩」だといわれています。

温泉データ
泉質 含炭酸・重曹及び芒硝一弱食塩泉
温度 35.7度
効能 婦人病、婦妊症、神経痛、高血圧、リューマチ慢性湿疹

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