列効能は神のおかげ…

古の昔より、人々はぐつぐつと熱湯が湧きかえり、異臭を漂わす温泉に対して、畏敬の念を抱いていました。
温泉は様々な病を治すありがたい存在である一方、毒ガスや蒸気を吐き出し、地を揺るがす大自然の脅威でもありました。
人々はそこに神の存在を見いだし、"神の湯"とも"地獄"とも呼んで畏れていました。
神明裁判の一つである盟神探湯(くかだち)なる風習も、そういった概念より生まれたと考えられています。
古代の人々にとって神とは、大いなる恵をもたらしてくれるものであると同時に、災いをもたらすものであるという卓越した存在物でした。
神といっても温泉そのものを神様として崇めていたのではなく、その地域に古くから伝わる氏神・山の神などや薬師如来といったものが主でした。
そのため、人々は温泉に浸かって病や傷が癒えていくのは、温泉の効能によるものではなく、神の力が働いているからこそと思っていたのです。
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